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キングボンビーの「サイコロ10個の出目当て」

「桃太郎電鉄」シリーズのキャラクター「キングボンビー」の悪行シリーズ「サイコロ10個の出目当て」は、サイコロ10個の出目の合計を予想し、当たらないと罰金を取られるという厳しいゲームです。最良の予想、つまりクリアできる確率が最も高くなる予想は?そして、そのときにクリアできる確率は?


近似的に求める方法

※大学教養課程程度の統計学の知識を前提として説明します。「結論が早く知りたいよ!」という方は説明を飛ばしてページ下方へ。

まず、10個のサイコロの出目で、発生する確率が最も高いのは 35 です。これはちょうど出目の平均値となっています。
サイコロ2個のときでも、出目の和が 7 となるとき確率が 1/6 と最も高く、これも2個の出目の平均値の場合ですね。同様のことはサイコロの数が増えても成り立ちます。奇数個の場合、例えば3個の出目の平均値は 10.5 ですが、この場合は10と11が出る確率が最高(同率)となります。

次は、サイコロ5vs10の場合と同様に、中心極限定理を用いてサイコロの出目の総和を正規分布で近似します。10個の出目の和を X10 という確率変数で表せば、X10N(35, 175/6) に(近似的に)従うことになります。出目の分布を連続分布で近似することになるため、出目の総和が35となる確率は P(X10 = 35) ではダメで、P(|X10 - 35| < 0.5) のように考える必要があります(予備知識2.)。

ここで Z = (X10 - 35) / √(175 / 6) とおいて標準化する(予備知識4.)と、Zの分布は N(0, 1) に従います。|X10 - 35| < 0.5 のとき、|Z| < 0.5 / √(175 / 6) ≒ 0.0926 となるので、出目が35となる確率は標準正規分布表から以下のように求められます(予備知識6.)。

  • P(Z > 0.0926) ≒ 0.463
  • P(|Z| < 0.0926) = 1 - 2P(Z > 0.0926) ≒ 0.074

故に、35と予想したときに当たる確率は 約0.074 (7.4%) と計算できました。サイコロ5vs10よりはずっとずっと勝ち目のあるゲームだということがわかりましたね。(爆)


表計算ソフトでちゃんと計算する

表計算ソフトを用いてサイコロの出目の確率分布を調べれば、確率を求めることができますが…実は、サイコロ5vs10のページのPDFファイルに答えが載っています。約0.07269 (7.269%) ですね。

今度は割と良い近似になったようですね。(^^;;