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「ロト7」なるものができていた

数字選択式宝くじといえば「ロト6」が有名でしょうが、2013年に「ロト7」なるものができました。01〜37という37個の数字から7個を選び、1口300円でくじを購入するのです。抽せん数字(7個)のうち4個以上を本数字とボーナス数字に的中させれば賞金がもらえます。キャリーオーバーも入れたら最高当せん額8億円ですってよ、奥様。


前提知識

基本的には高校数学範囲の確率の知識を用いますが、一部高校では学習しない事項もあります。数式が理解できないと思ったら、適当に飛ばしながら読んでいただくほうがよいです。そうでないと嫌になること間違いなしですので。計算結果を見るだけでも十分だと思います。

なお、本文中で以下の記法を用います。

  • n! = n×(n-1)×(n-2)×…×2×1 (階乗) 但し 0! = 1
  • exは指数関数(eは自然対数の底 2.718…)
  • nCx = n! / (x! (n - x)!) (順列組み合わせ)

当せん金額の期待値って?

ロト6の場合と同様に、まずは各等級の当せん確率を求めてみましょう。各回の抽せんでは本数字7個とボーナス数字2個が選ばれます。

  • 6等(1000円)
    • 選んだ7個の数字の中に、本数字が3個あり、残り4個のうち1個か2個がボーナス数字であるとき。
      • (a) 本数字7個のうち3個、ボーナス数字2個のうち1個、ハズレ28個のうち3個を選ぶ確率
        7C3?×?2C1?×?28C3?/?37C7?=?229320/10295472
      • (b) 本数字7個のうち3個、ボーナス数字2個のうち2個、ハズレ28個のうち2個を選ぶ確率
        7C3?×?2C2?×?28C2?/?37C7?=?13230/10295472
      • (a) (b) を合計すると、242550/10295472 ≒ 0.0236 (2.36%)
  • 5等(2000円)
    • 選んだ7個の数字の中に、本数字が4個あるとき。
      • その確率は 7C430C3?/ 37C7?= 142100/10295472 ≒ 0.0138 (1.38%)
  • 4等(12500円)
    • 選んだ7個の数字の中に、本数字が5個あるとき。
      • その確率は 7C530C2?/ 37C7?= 9135/10295472 ≒ 0.000887 (0.0887%)
  • 3等(100万円)
    • 選んだ7個の数字の中に、本数字が6個あり、ボーナス数字がなかったとき。
      • その確率は 7C62C0?×?28C1?/?37C7?= 196/10295472 ≒ 0.0000190 (0.00190%)
  • 2等(1000万円)
    • 選んだ7個の数字の中に、本数字が6個、ボーナス数字が1個あったとき。
      • その確率は?7C6?×?2C1?×?28C0?/?37C7?= 14/10295472 ≒ 0.00000136?(0.000136%)
  • 1等(4億円)
    • 本数字7個がすべて的中した場合。
      • その確率は 7C7 / 37C7?= 1/10295472 ≒ 0.000000097?(0.0000097%)
  • ハズレ
    • 上のどれにもあてはまらない。
      • その確率は (10295472 - 242550?- 142100?- 9135?- 196 - 14?- 1) / 10295472?= 9901476/10295472 ≒ 0.962 (96.2%)

1等当せん確率は0が何個続いているのかよくわかりません。

で、これをもとに期待値を計算すると、以下のようになるでしょう。当せん金額は上に載せた参考額で計算します。

等級賞金額確率等級割当額
(金額×確率)
1 400,000,000 9.7×10-8 38.8
2 10,000,000 1.36×10-6 13.6
3 1,000,000 1.90×10-5 19.0
4 12,500 8.87×10-4 11.1
5 2,000 1.38×10-2 27.6
6 1,000 2.36×10-2 23.6
? ? 133.7

リターンの期待値がロト6に比べてちょっと多い?と思っていたら、1口300円なんですよ。ここ注意。結局期待値は購入額の45%くらいで変わりません。しかも期待値への1等の寄与の偏りがひどくなっています。


中央値を調べる

今回はロト6の場合と同様に、50口買ったときの当せん額の中央値を求めてみます。

  • 50口買っても1円も当たらない確率は 0.96250 ≒ 0.144
  • 50口買って1000円当たる確率は 50C1 × 0.02361 × 0.96249 ≒ 0.178
  • 50口買って2000円当たる確率は?50C2?× 0.02362?×?0.96248?+ 50C1?× 0.01381?×?0.96249?≒ 0.210
    (1000円2口 or 2000円1口)?

と、2000円までで合計50%を超えますので、中央値は2000円となります。


元取れるんかいな?

計算が少し複雑ですが、先ほどの50口買った場合において、元が取れる(300円 × 50口 = 15000円以上当せん)確率を求めてみます。

ってか計算式を書き下すのも面倒なので計算結果書いとくと、元が取れる確率は 約0.56% となりました。損をする確率が 99.44% なんですよね。パターンだけ書き下して、確率の計算は表計算ソフトに託しています。詳しくはページ最後の表をダウンロードしてください。


結局

最高当せん額が大きいと夢を膨らませたくなるのが人情でしょうが、現実を見ればこんなに割りに合わない賭けはないでしょう。競馬や株のほうがよほどローリスクといえるかもしれません。宝くじと違って運以外の要素がちゃんとありますからね。


ダウンロード

50口買って元が取れる確率の計算。